技術情報

NMEAセンテンスについて

NMEAとは

GNSS受信機から測位結果として出力されるデータ形式の一つとして、NMEA0183というフォーマット(以下、NMEAフォーマット)があります。NMEAフォーマットは様々な情報を持ったセンテンスの集合で構成されており、以下ではNMEAセンテンスの種類をいくつか示します。

GGA

時刻や位置とGPS関連の情報をまとめたセンテンス

センテンス例:
$GPGGA,052400.00,3539.3146239,N,13945.6411751,E,4,07,0.59,4.987,M,34.035,M,1.0,3403*76

項目 説明
GPGGA データタイプ GxGGAの形式で表されたメッセージID。
どの衛星のデータかは以下のTalker IDによって決定。
GP=GPS/SBAS、GL=GLONASS、GA=Galileo、GB=BeiDou、GQ=QZSS、GN=任意の衛星の組み合わせ
052400.00 時刻 hhmmss.ssの形式で表されたUTC時刻。例の場合は5時24分00秒(UTC)。
日本時間はUTC時刻+9時間。
3539.3146239 緯度 10進数、ddmm.mmmmmmmで表わされた緯度。
例の場合、35度39.3146239分となる。
N 南北 緯度の南北を示す。N=北緯、S=南緯
13945.6411751 経度 10進数、dddmm.mmmmmmmで表わされた経度。
例の場合、139度45.6411751分となる。
E 東西 経度の東西を示す。E=東経、S=西経
4 測位ステータス 0=測位不能、1=単独測位、2=DGPS、4=RTK fix、5=RTK float
07 使用衛星数 測位に使用した衛星数。
0.59 HDOP 衛星配置による精度劣化の垂直成分。
4.987 アンテナ海抜高度 平均海水面からの移動局アンテナの高さ。
M アンテナ海抜高度の単位 アンテナ海抜高度の単位が[m]であることを示す。
34.035 ジオイド高 ジオイド高=楕円体高-海抜高度
M ジオイド高の単位 ジオイド高の単位が[m]であることを示す。
1.0 Age 最後に補正情報を受信してからの経過時間。
例の場合は1秒前に補正情報を受信したことを示す。
3403 基準局ID 補正情報を受け取った基準局のID。
*76 チェックサム チェックサム。

RMC

測位情報が最小限にまとめられたセンテンス

センテンス例:
$GPRMC,052400.00,A,3539.3146239,N,13945.6411751,E,0.467,346.16,271121,,,R,V*0E

項目 説明
GPRMC データタイプ GxRMCの形式で表されたメッセージID。
どの衛星のデータかは以下のTalker IDによって決定。
GP=GPS/SBAS、GL=GLONASS、GA=Galileo、GB=BeiDou、GQ=QZSS、GN=任意の衛星の組み合わせ
052400.00 時刻 hhmmss.ssの形式で表されたUTC時刻。例の場合は5時24分00秒(UTC)。
日本時間はUTC時刻+9時間。
A データの有効性 データの有効性を示す。V=無効、A=有効
3539.3146239 緯度 10進数、ddmm.mmmmmmmで表わされた緯度。
例の場合、35度39.3146239分となる。
N 南北 緯度の南北を示す。N=北緯、S=南緯
13945.6411751 経度 10進数、dddmm.mmmmmmmで表わされた経度。
例の場合、139度45.6411751分となる。
E 東西 経度の東西を示す。E=東経、S=西経
0.467 速度 移動速度。単位は[knot]
346.16 真方位 移動の真方位。単位は[deg]
271121 日付 ddmmyyの形式で表された日付。例の場合は2021年11月27日。
磁気偏角 地北と真北との差。単位は[deg]
磁気偏角の方向 磁気偏角が東西のどちらにずれているか。E=東、W=西
R モード N=測位不能、A=単独測位、D=DGPS、F=RTK float、R=RTK fix
V ナビゲーション
ステータス
V:利用不可能。NMEA 4.10以降でのみ利用可能。
*0E チェックサム チェックサム。

GSV

衛星情報がまとめられたセンテンス(一つのセンテンスにつき最大4行まで表示)

センテンス例:
$GPGSV,3,1,09,10,59,242,37,12,59,073,45,15,10,120,39,23,41,189,44,1*60

項目 説明
GPGSV データタイプ GxGSVの形式で表されたメッセージID。
どの衛星のデータかは以下のTalker IDによって決定。
GP=GPS/SBAS、GL=GLONASS、GA=Galileo、GB=BeiDou、GQ=QZSS、GN=任意の衛星の組み合わせ
3 総センテンス数 表示されるセンテンスの行数。例の場合は3行表示。
1 センテンス番号 全行数のうち何行目のセンテンスか。例の場合は1行目。
09 ビュー内の衛星数 確認可能な衛星数。例の場合は9衛星。
10 衛星番号 1個目の衛星番号。例の場合は10。
59 仰角 1個目の衛星の仰角。例の場合は59[deg]。
242 方位角 1個目の衛星の方位角。例の場合は242[deg]。
37 C/N比 1個目の衛星の信号強度。範囲は0-99。例の場合は37[dB]。
12 衛星番号 2個目の衛星番号。例の場合は12。
59 仰角 2個目の衛星の仰角。例の場合は59[deg]。
073 方位角 2個目の衛星の方位角。例の場合は73[deg]。
45 C/N比 2個目の衛星の信号強度。範囲は0-99。例の場合は45[dB]。
15 衛星番号 3個目の衛星番号。例の場合は15。
10 仰角 3個目の衛星の仰角。例の場合は10[deg]。
120 方位角 3個目の衛星の方位角。例の場合は120[deg]。
39 C/N比 3個目の衛星の信号強度。範囲は0-99。例の場合は39[dB]。
23 衛星番号 4個目の衛星番号。例の場合は23。
41 仰角 4個目の衛星の仰角。例の場合は41[deg]。
189 方位角 4個目の衛星の方位角。例の場合は189[deg]。
44 C/N比 4個目の衛星の信号強度。範囲は0-99。例の場合は44[dB]。
1 シグナルID 受信した衛星信号を表す。
衛星と周波数帯の組み合わせによってIDが決定される。
例)1:GPS L1 C/A、6:GPS L2 CL など
*60 チェックサム チェックサム。

ZDA

時刻と日付情報がまとめられたセンテンス

センテンス例:
$GPZDA,052400.00,27,11,2021,00,00*61

項目 説明
GPZDA データタイプ GxZDAの形式で表されたメッセージID。
どの衛星のデータかは以下のTalker IDによって決定。
GP=GPS/SBAS、GL=GLONASS、GA=Galileo、GB=BeiDou、GQ=QZSS、GN=任意の衛星の組み合わせ
052400.00 時刻 hhmmss.ssの形式で表されたUTC時刻。例の場合は5時24分00秒(UTC)。
日本時間はUTC時刻+9時間。
27 何日か。例の場合は27日。
11 何月か。例の場合は11月。
2021 何年か。例の場合は2021年。
00 ローカルタイムゾーン(時) 常に00。
00 ローカルタイムゾーン(分) 常に00。
*0E チェックサム チェックサム。